gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

「山中ノーベル賞」で日本が科学大国と思うのは誤りです!:日経ビジネスオンライン

(前略)
−−−−ほかにも問題はありますか。
竹内:国の政策としては、科学研究を対象とした予算があまり優遇されておらず、金額が少ないですね。iPS細胞についても、これはいろいろな計算の仕方があって異論のある人もいるでしょうが、私の知っている情報に基づく感覚で言えば、日本の研究費の総額は米国の100分の1ぐらいでしょう。
(後略)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121207/240701/?P=3

米国以外との比較はどうなんだろう。
参考:204 ? 各国の科学技術 1. 研究費及び研究者数 R&D ... - 文部科学省 (pdf)
米国は、2005年の統計で
GDP 1364.09兆円 に対して 研究費が 357.625億円 (内政府負担 108.718億円) 研究者数は 1,394,682人
ドイツは、2005年の統計で
GDP 307.67兆円 に対して 研究費が 76.401億円 (内政府負担 21.683億円) 研究者数は 277,628人
フランスは、2005年の統計で
GDP 235.47兆円 に対して 研究費が 50.248億円 (内政府負担 19.215億円) 研究者数は 204,484人
イギリスは、2005年の統計で
GDP 245.99兆円 に対して 研究費が 43.668億円 (内政府負担 14.306億円) 研究者数は 180,450人
中国は、2005年の統計で
GDP 305.44兆円 に対して 研究費が 43.803億円 (内政府負担 10.824億円) 研究者数は 1,223,756人
韓国は、2005年の統計で
GDP 87.23兆円 に対して 研究費が 25.997億円 (内政府負担 5.985億円) 研究者数は 179,812人
ロシアは、2005年の統計で
GDP 114.55兆円 に対して 研究費が 12.333億円 (内政府負担 7.547億円) 研究者数は 466,253人
…と抜粋してみればわかるとおり、
米国だけが、突出して研究費が高く、文字通り「桁違い」。
100倍は無いけど、ドイツと比べてすら5倍。
そして
参考:統計局ホームページ/統計でみる日本の科学技術研究 総括編 その1
の「図2 主要国における研究費の推移」を見れば判るとおり、米国に比べれば半分以下だが、GDPで3倍の開きがある事を考えれば、日本の研究費は世界的に見ても高い部類に入る。
そもそも、世界で2位だ。
まあ、研究費が適切に運用されているか否か、という点については疑問の余地は大きいけど。
参考:統計局ホームページ/統計でみる日本の科学技術研究 非営利団体・公的機関編 その1
の「図16 非営利団体・公的機関の費目別研究費の割合(平成22年度)」を見れば判るとおり、3割が人件費、35%がその他経費となっており、何処までが本当に必要な研究に必要な真水なのかは、読み取り辛い…。
民間はともかく、官学共同くらいだと、官のザル勘定が引きずられていそう。