gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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年内に100カ国参加 中国「AIIB」はなぜ急拡大したのか | 日刊ゲンダイDIGITAL

中国が昨年末、新興国への投資を目的に発足させた「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」。参加国が、当初の57カ国から年内をメドに100カ国近くまで増える見通しというから驚きだ。
(中略)
チャイナ・ショックもなんのその。中国政府はかくもしたたかに動いている。先進国は、うかうかしてると“果実”を根こそぎ持っていかれる。

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/182771

流石はゲンダイソース、内容に意味が無い上に、無駄煽りが酷い。
開発銀行にとって、資金を出さない参加国がいくら増えようが、価値に全く影響はないし、必要なのは安価に原資を調達する信頼性と透明性、そして投資した資金で開発した案件を失敗させずに完遂する能力だけ。
その点で、最初から「中国に都合の良い財布」である事を目的としているAIIBは、全く資格を持たない。
まず、域外メンバーは融資枠の上限が小さく、名ばかりメンバー。
域内メンバーでも、経済規模を考えると、日中だけで8割以上を占める事が確定していて、それ以外の国は金を貰う側と言う認識で参加している。(韓国ですら!)
加えて出資比率で、中国が50%以上を握っているから、日本は金を出すだけで権限はなく、メリットは微塵も無い。
こんなアホらしい状況にもかかわらず、中国最大の誤算は、財布となるべき日本が参加しなかった事なのだ。
中国は自分で出した金は自国に投資し、日本から引き出した金で他国の開発を行って「貸し」にする目算だったのに、日米が不参加となった事で、AIIBの運用資金は中国がほぼ全てを負担する羽目になった。
慌てて韓国を脅しつけて出資させたけれど、日本から取るつもりだった金額に比べればその額はとても小さい。
中国としては、このまま自己資金でAIIBを運営しても、国富の浪費でしかないから、なんとしても日本を参加させたい、その為にあれこれと動いているのが、この茶番である。
結論として、日米は粛々とADBを正しく運営し続ければ問題ない。
記事にあるように日米の開発銀行経験者がAIIBに入って、AIIBを「正常化」してくれたとしても、むしろ大歓迎である。
何故なら、それは「AIIBが中国に都合の良い財布ではなくなる」という意味だからだ。